侘びた手水鉢が主役となる坪庭。「一滴のしずくから広がる様」を表現してみました。景石はあくまでも目立ち過ぎず主役を引き立てる役割を担う。背景となる竹垣は人工ものではあるが黒竹と煤竹(すす)の二色を織り交ぜ少しでも天然っぽさや面白さを出せるようこだわりました。実際に水滴がポツリと落ちる仕組みにしており静けさの中にも動き、音を感じとれるよう工夫してみました。中庭だったため室内を通っての材料搬入とな り難しい点もありましたが、そのぶん思い出深い工事ともなりました。